K.T.C.C

映画とか洋ゲーの冒険記です。大体端書。

ビヨンド・ザ・エッジ 〜歴史を変えたエベレスト初登頂 感想


ビヨンド・ザ・エッジ』を見てきました。別に以前から存在を知っていた訳ではなく、有楽町でたまたま見かけたので見に行きました。角川シネマ有楽町です。3Dです。
H8で見ましたが、視線の高さはちょうどよく音も悪くなかったです。内容はそのまんま人類初イギリス隊のエヴェレスト登頂を紹介するもので、ネタバレもクソも無いので全部書いちゃいます。





ストーリー:1953年、陸軍大佐ジョン・ハント(ジョン・ライト)率いる362人のイギリス遠征隊が人類未踏の高峰エベレスト初登頂に挑むことになる。先発の第1次アタック隊は体力・酸素不足により登頂を取りやめた、ニュージーランド人のエドモンド・ヒラリー(チャド・モフィット)とシェルパのテンジン・ノルゲイ(ソナム・シェルパ)から成る第2次アタック隊が頂上を目指すことに。皆の期待を背負った二人を自然の猛威が襲い……。

http://www.cinematoday.jp/movie/T0018997

58点





感想:はっきり言ってかなり残念でした。詳しい理由は後述しますが、上映時間90分が長く感じられました。ちなみに何故か3Dで学生料金で1900円取られましたが、ひどくボッタクられた気分でした。この内容で3D見る必要は全く無いと思います。(後述)



理由:映画だと思って見に行ったらドキュメンタリーとも再現映像ともつかない謎の映像を見せられた上、これが別に面白く無いという体験だったから。
更に惜しいことに映像自体は結構ダイナミックでキレイだったのですが、どれが再現でどれがオリジナル画像・映像なのかわからないカットが極めて多く(多分ほとんどビンテージ加工を施した再現映像・画像)、結局全部ニセモノに見えてしまって退屈に感じられました。

またニュージーランドの山をエヴェレストに見せようと頑張るあまり、エヴェレスト感が全く感じられない映像だったこと。もういっそのこと、ニュージーランドの山を舞台にしておもいっきり撮影した方が良かったのじゃないかと感じるほどです。音楽はよかったので、もっとエベレスト全体を見せて欲しいのにフェースや岩場しか見せないような描写があまりにも多すぎました。

で、致命的に感じたのが登場人物たちが劇中、一切喋らないこと。これはもう、なんと言っていいのか分からないもどかしさを感じましたね。話のすべてが息子や関係者のナレーションのみで進んでいきます。ですが、ディスカバリーやナショジオのように喋ってる人は出てきません。インタビュー的映像は一切ないです。映像はあくまで再現映像?というか映画?ドラマ?ちょっと良くわからない映像です。一応主人公はヒラリーという体で話は進行しますが、ヒラリーは一言も声を発しないのでなんとも感情移入もできません。が、登場人物が一言も発しない実験的映画と解釈すれば、そこそこ成功だったんじゃないっすかね。(適当)

あと3Dの恩恵はあまり感じませんでした。ヒラリーが養蜂家ということもあり、蜂が登山中出現するシーンで蜂が3Dになってました。山自体を3Dで見るのは不粋に感じました。つか2Dの方がキレイに峰々を見れると思います。



主人公のヒラリー氏。デカい。



某リディックにしか見えない




山岳映画としては、ピッケルの持ち方がどうも気になったり全然日焼けしてなかったり、標高8000m付近で素手だったり、まあ当時の人すげーなとしか感じませんでした。つかあんまり山岳感は感じられない映像でした。Goproで撮ったような一人称映像でリッジ歩くのは面白かったです。




良かったなと思ったこと:詳しい経緯は知りませんが、最初は『天空の頂き』というなんだか物凄くカッチョいい邦題に無理やり変えられてたようですが、公開時には原題ママに戻ったようです(それでも〜歴史を変えたエベレスト初登頂、とかいうどう考えても長過ぎる蛇足にも程がある、日本の配給担当バカなんじゃねえの映画舐めてんのかというサブタイトルは付いていますが)。これがもし誰かの圧力だったら、その人に賞賛の拍手を送りたいです。
あと、ローツェフェースとかヒラリーステップとかの名称は知ってても位置関係とかよく分かってなかったのですが、劇中何回も超分かりやすいマップが出てくるので、これからエヴェレストに登る人はその部分だけでも見ておく価値はあると思います。


ヒラリーとシェルパの人のコンテが結構印象的です。


学んだこと:コモンウェルス内で馬鹿にされていたニュージーランド人がジョンブルに自分の力を見せ付けてやろうと必死になった結果エヴェレスト登頂は成功した。もう一回山屋やってみるか、という気持ちにはなりました。


引っかかった事:記録ドキュメンタリーなのにやたらとヒラリーの精神的不安定さを強調してたこと。それが登頂成功にそこまで影響していたのか疑問。というか描写する必要があったのかすら怪しい気がする。子供の頃アリしか友達がいなかったとか、オヤジに納屋でよく折檻されてたとかいう情報がどうエヴェレスト登頂成功に繋がったのかがよくわかりませんでした。