K.T.C.C

映画とか洋ゲーの冒険記です。大体端書。

『ハイネケン 誘拐の代償』 試写会の感想(後半ネタバレ)

こんばんわ。早速、アスミック・エースの六本木オフィスの席数44席の試写会に行って来ました。補助席+7で51席ということでしたがギチギチでした。やっぱりスクリーン遠かったです。

 

 

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ざっくり言うと、金に困った若者達が金持ちを誘拐して一応成功する、っていう顛末を描いたものです。誘拐される金持ちはハイネケンさんで、ハイネケンビールの生みの親でタイトルにもなっています。場所はハイネケンの城下町アムステルダムで、1980年代の雰囲気がよく再現されています。(と思う)最初はコメディ色も多少あったのですが、後半は完全に社会派ヒューマンみたいな暗い感じに変わります。これは結構面白いな、と思いました。90分くらい。

 

70点!!

 

ネタバレあらすじ

ヴィレム、コル、カット、スパイクス、ブレイクスの5人は幼なじみでビジネス・パートナー。一応建設業という謎の生業をやっていて、一応不動産も所持している。全体的に家族ぐるみの付き合いをしていて、ヴィレムの妹とコルは同棲して子供出来てて、ブレイクスはコルの弟。ヴィレムのオヤジはハイネケンで勤務していたがクビになる。オヤジはハイネケンを崇拝していて、ヴィレムや妹はハイネケンにウンザリしていた。

そんな中、稼業が上手く行かず会社がヤバいので銀行に融資を請願するも、所持する不動産にヒッピーが勝手に住みつき、問題になる。5人組はブチ切れて「コミューン」とよばれるその自前の不動産に殴りこみを掛け、ヒッピーと乱闘、検挙される。なんやかんやでにっちもさっちもいかない中、主人公格のコルが皆に「ハイネケン誘拐」の話を持ち出す。その額6000万ギルダー。結構軽いノリで皆賛成。でもそのためには大規模にやって警察を勘違いさせる必要がある!!という事になり、準備の準備として取り敢えず銀行強盗をする。わざわざP38やMP40で重武装し、逃走用のボートまで用意して素人なのにまんまと逃走成功。

で、いよいよ誘拐の準備ということで、自前の倉庫を改造して「アンネ・フランク」風防音室を作り、ハイネケンの行動を調べ脅迫文章を作り備える。誘拐は決行され、タクシーに目撃されるなどアクシデントもありつつ、無事にハイネケンと運転手を防音室にブチ込むことに成功。するも、脅迫文書を勝手に近所の会社でコピーした際に原稿を取り忘れており、これがバレる原因なのではと臭わせるカットもあった。

とにかく、誘拐したはいいもののなかなか警察から返事が無く、焦り苛立つ5人組。それに対し、傲慢な態度で尊大さを魅せつけるハイネケン。この辺が、映画の一番のプロモーションになってるっぽい。でもアンソニー・ホプキンスの出番はそこまで無くて、しかも言ってる内容もそこまで5人組を煽るようなものではなかった。

あまりにも警察の回答が遅いので、運転手殺して俺らはマジだぜってのを見せつけようだとか、予告通りハイネケンぶっ殺す!といった仲間割れなどを経つつも、ある日遂に警察から反応がある。警察サイドの描写はほぼ無いので、ココがどの様に事が動いてたのかは全く不明。

綿密に練られた受け渡し計画どおり、金を計画通りに受け取り土に埋める5人組。だが後日、尾行されていることに気付き、急ぎ金を回収して脱出を図ることにする。ハイネケン?後にしろ!という感じ。金を分配して皆散り散りに逃げる。一番若いブレイクスは先にグループを離れ、宣言通りスクーターを買うも検挙。妻子持ちのカットはカーチェイスの挙句検挙。後半異常に皆につっかかり、観客をイライラさせたスパイクスは自首。ヴィレム「頭おかしいんじゃねえの?」

最後に2人となった主人公枠のコルとヴィレムは、パリのヴィレムの知り合い女の元で過ごすが、コルは彼女と生まれてくる子供の事で頭がいっぱい。ヴィレムが散々女と宜しくやっているのにも嫌気が指し、とうとうアムスの知り合いに直リンして、隠れ家のTEL番を教えてしまう。なんとか彼女と話せたものの、それがヴィレムにバレる。即逃げようと家を出たところでルパン三世の様に警察に囲まれて終劇。コル「若いから出た後に埋めた金でまたやっていける」

エンドロールでは各人のその後が解説され、中でもスパイクスが精神病院を脱出して10年後にエクアドルかどっかで発見される、という説明がでる。

 

 

という感じの90分映画。

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良かった点

・90分でテンポが良かった。途中から全てが上手く行かなくなる時間帯が辛かった。

・アムステルダム感があった。自転車、小型車両、運河など。あとは吸ってるタバコが全てマリファナだと仮定すれば完璧だ!

サム・ワーシントンが元気良さそうだった。

・誘拐の手順とか金の受け渡しなどの犯罪の過程がしっかりと描かれていた。

・「バドだよ」など、合間合間の小ネタは面白かった。

・見てる途中、ずっと『ザ・タウン』を思い出してた。あとアムステルダムだと『オーシャンズ12』とか。

・映画そのものの後味はなかなか良い。ラストの会話からの俯瞰カットは良かった。

・カーアクションが頑張ってた

アレだった点

・権利関係かしらんが、ハイネケンロゴが出てこなかった。見落としでなければ、1フレームも出てこなかった。

・アンソニー・ホプキンスがそこまで強キャラじゃなかった。前半もそこまでキレてなかったし、後半は完全に衰弱してた。どっちかというと1人でブツブツ言ったり、警察に保護されて泣いてるシーンの方が印象に残った。

・スパイクスがとにかくウザかったし、お前ら本当に幼馴染か?というギクシャク感がアレだった。犯罪はここまで人を変えてしまう!!だったのかもしれないが

・人間関係が拗れまくっており、そういうの苦手なので面白くなかった。

・タイトルに違和感。

原題「Kidnapping Mr. Heineken」

邦題「ハイネケン 誘拐の代償」

これもう「キッドナッピング!!」とか「ハイネケン大誘拐」で良かったんじゃねえの?誘拐の代償という割には、代償を払わされてるのがコルだけな感じだった。まあ尺的にほぼ主人公のコルにしか焦点が当たっていなかった、というのもあるが。

 

 感想

一昨年アムステルダムに行って、非常に良い街だなあという感想でした。なのでアムステルダムの描写はアムステルダム感あって良かったなあと。

あと貧困幼馴染で仲間割れ犯罪映画の『ザ・タウン』と見比べてみたいってのもある。完全に犯罪者サイドの犯罪映画だと、物語の締め方がかなり違ってくるイメージ。犯罪は映画と親和性高いというが、大抵犯罪者が捕まるってオチなのもなんだか気になる。

 

 

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