【完全ネタバレ】2017年版『GHOST IN THE SHELL』を見て思った5つのこと
公式あらすじ
ネットに直接アクセスする電脳技術が発達すると共に、人々が自らの身体を義体化(=サイボーグ化)することを選ぶようになった近未来。脳以外は全て義体化された少佐率いるエリート捜査組織「公安9課」は、サイバー犯罪やテロ行為を取り締まるべく、日夜任務を遂行していた。そんな中、ハンカ・ロボティックス社の推し進めるサイバー技術の破壊をもくろんだテロ組織による事件を解決すべく、少佐は同僚のバトーらと共に捜査にあたるが、事件を調べていくにつれ、自分の記憶が何者かによって操作されていたことに気付く。やがて、真の自分の記憶を取り戻していく少佐は、自身の驚くべき過去と向き合うことになる*1
はしょりまくネタバレあらすじ
アバンタイトル:意識混濁状態の少佐(=生身の草薙素子)。赤服*2らによってストレッチャーで何処かに運ばれる。その後脳みそが義体に取り付けられ、筋肉とか皮膚が段々付いていって最後にペリペリっと剥がれる展開は押井版と大体同じ流れ。その後、目覚めたスカーレット・ヨハンソンに話しかけるのはオウレイ博士。スカーレット・ヨハンソンは顔ドアップ。博士いわく、難民船がテロリストに襲われ転覆、唯一打ち上げられたMira Killian=少佐以外親含め全員死亡だと。
〜その後〜
高級大飯と書かれたビルの屋上にいる少佐。課長の荒巻(ビートたけし)から「日本語」で通信が入り、それに英語で返す少佐。中ではアフリカ系国家の大統領に営業接待するハンカグループの重役。芸者ロボにお酌させてた所、突如芸者ロボ暴走、謎の集団乱入。バトーに連絡するも間に合わなさそうなので、少佐飛び降りで現場に殴り込む。荒巻「軽率な行動はよせ(日本語)」あっという間に敵をやっつけ、芸者ロボを追い詰めるが、謎のセリフを残して撃たれてしまう。壊れた芸者ロボを見ていると、「お前は違うぜ」とバトーに慰められる少佐。ちなみにこの辺ではまだ少佐は自分の事をMira Killianだと思ってる。ミラちゃん。
ダウンタウンをぶらぶらするバトーと少佐。バトーが肉を買い、路地裏でイヌに肉をあげる。その中にはバセットハウンドの「ガブリエル」*3がおり、バトーは少佐に彼を紹介する。
その後芸者ロボに手がかりがあると踏んだ9課は、情報の手がかりを得るために芸者ロボを保管するメガコーポ・ハンカロボティクスを訪れる。ハンカロボティクスの入り口は巨大多脚戦車(ラスボス)が複数台でガードしていた。芸者ロボの記憶に糸口があるとして、少佐が電脳ダイブ。一瞬、犯人らしき人物を目の当たりにするも、逆にハッキングされてしまう。*4バトーのお陰で現実に戻り、「一瞬見た奴アタシ知ってるわ!」と少佐。
アテがありそうなヤクザクラブに少佐達が乗り込み、少佐はスケベオヤジに捕まってしまう。手錠をハメられ、ポールダンスを強要される少佐。一方バトーは便所でミケランジェロ型*5(だっけ)っぽいサイボーグを見ながらも、仲間から秘密裏に武器を受け取る。その後少佐はキレてヤクザを粉砕、バトーと共に地下の怪しげな場所で犯人を見つけるも、それはホログラムだった。その直後、罠の爆弾が爆発し、少佐は大破、バトーは目をヤられてしまう。(つまり、それまでは普通の目)。こうして「眠らない目」を手に入れるバトー。
その後、芸者ロボに少佐がダイブした際に立ち会ったハンカの技術者が何者かに殺される。生みの親的なオウレイ博士が危ないと察知した少佐は急行する。ちょうどその頃、清掃業者の2人組が電脳ハックされる。一気にゴミ収集車を加速し、ちょうど現れたオウレイ博士のクルマに体当たりする。さらに銃でオウレイ博士に襲いかかるが、バトー達が到着する。1人取り逃がしたので、追う少佐。相手は光学迷彩を身に纏うが、開けた水路で少佐にボコボコにされる。キレ気味な少佐をなだめるバトー。
捕まえた清掃業者を尋問する。娘も妻も居ない事が判明し、記憶を操られていると伝える9課。すると清掃業者が再びハックされる。急いで逆探知の準備をし、少佐がコンタクトを試みる。逆探知に成功し、ハックが解かれると、今度はいきなり清掃業者は首を吊って自殺してしまう。
逆探知した場所に行くと、怪しい坊主頭の集団が怪しい事をしていた。*6更に進むと謎の集団に襲われ、捕まってしまう少佐。目覚めると主犯格、クゼが現れる。ここでクゼから重大なネタバレがあり、自分も元はハンカでプロジェクト2571(だったはず)*7に関わっており、記憶は操作されてたことを明かす。少佐も記憶操作されてるから、と忠告。何故か殺してくれ、と言われたので発砲する少佐。しかし何故か効かない。*8。バトーたどり着くも、「ワタシ、解らない!」という風な感じで少佐逃走。
少佐、真相を確かめるべくオウレイ博士の部屋に侵入。博士を問い詰め、全ての記憶が嘘で、さらに少佐の様なハンカの実験体は97人もいた事が判明する。だが、オウレイ博士はそれ以上は知らないと主張。少佐は部屋を後にする。
フローター無しで海に潜る少佐。*9海面に戻ると、バトーが待っていた。「読んだ覚え無いけど?」誰も信じられない少佐に対し、「俺は信じてるよな」とバトー。ビールを勧められるが拒絶する少佐。*10舟から降りると、ハンカの部隊がいて少佐は拘束される。ハンカに移送され、社長命令でオウレイ博士によって毒殺*11されそうになるも、オウレイ博士の良心によって少佐は逃亡に成功。その際、昔の自分の持ち物のキーを渡される。ホンダのバイクを盗んで逃走する少佐。*12
キーの情報を頼りにポンテタワーの様なマンションにたどりつき、その部屋に行く。するといきなり桃井かおりが出てきて「お茶のみな!」と。桃井かおり「ワタシにも娘が居たんだけど、警察に連行されて自殺したって。灰だけ送られてきたけどワタシ信じてないから!」とプルプルした様子で喋りだす。ここで初めて素子の名前が出る。「あの子は行き過ぎた機械化は良くないと、抗議活動してたのよ」。少佐はただならぬ状況に動揺し、家を飛び出す。「また来てくれる?」「来ます」
少佐がヤバい事になったと察知した荒巻、9課のメンバーに警告する。荒巻も暗殺部隊に襲われるも、敵を全員射殺。「羊狐を狩るためにウサギを寄越すな」。バトー、トグサも襲われる。*13
最終局面では、だんだん記憶が戻ってくる素子。中国風の東屋にて遂に自分の名前とクゼの名前を発見。するとクゼが現れ、一緒に仲間になろうと言い出す。すると東屋が爆発し、ハンカの社長操る多脚戦車が現れ絶対絶命のピンチ。少佐は応戦するも虚しい。ついにはミサイルも打ち込まれたりですっちゃかめっちゃか。クゼが多脚戦車にヤられそうになった時、光学迷彩に身を包んだ少佐がゴリラと化し、ハッチをこじ開け多脚戦車撃破。クゼ・少佐ともボロボロになりつつも、ネットに来いよとクゼ。少佐はアタイはここが良いと拒否。いつもそばにいるよ、とクゼは言い残し、ゴーストが消えてします。直後、社長命令でヘリから狙撃されるクゼ。そしてそのヘリを狙撃するサイトー。(サイトーの名はここで出る)。課長*14はハンカの社長に罪状を伝え、抵抗されたので射殺する。
その後バトーもやって来て、素子を救出。「お前は誰だ?」のバトーの問に「素子」と答える。「まだ少佐?」「うん」
後日、桃井かおりに教えてもらって「草薙素子」の墓を訪れる。「もうここには来なくていいよ」と少佐。桃井かおりと少佐はハグする。
課長「少佐、事件だ。お前に任せる。」ビルの屋上にいる少佐、ダイブ。
流れ出す川井憲次「謡」の新しいリミックス
〜〜〜FIN〜〜〜
一気に書いたのでかなり適当ですが、大筋はこんな感じです。シーケンスで順番が入れ違っている箇所があるかもですが、その辺は気にしないでください。
思ったこと
1 とにかくスカーレット・ヨハンソンの顔ドアップが多く、スカーレット・ヨハンソンの彼氏になった気分を味わえる
スカーレット・ヨハンソンの顔が物凄く綺麗なんですよ。綺麗過ぎる=サイボーグの作り物、って事なんでしょうけど、それでも全然綺麗。スカーレット・ヨハンソンファンは堪らないと思います。首から下のどの部分までがCGなのかは不明ですが、スカヨハの脇パイとかも拝めるので最THE高って感じです。
2 原作・押井・神山攻殻機動隊全部好きな人は多分楽しめる。黄瀬版は知らん。
3つのパラレル攻殻機動隊が結構上手くメガミックスされているな、と感じました。筆者は原作が一番好きですが、原作の要素もそこそこ入っていると思います。バトーのトイレシーンの女顔男サイボーグとかは原作リスペクトだと思う。
特にクゼ・ヒデオと人形遣いを融合させるのは面白い発想だなと。
作り手が本当に攻殻機動隊好きなんだなあ、というアツい思いは十分伝わってきました。
3 武器描写が残念。アクションも。。。
銃社会アメリカ、何やってんだという感じです。出て来る銃の殆どが既存銃のカスタムと言う感じで、もっとエグい感じのブルパップ銃とかハンドガンいくらでもあろうに。MP5やUMPのストックだけ板金工に作らせたプロップ銃にはマジで萎えます。アクションもちょっと普通でした。押井版にあった、強装弾にマグチェンジするシーンも欲しかったです。
4 荒巻課長が完全にヤクザ。というかたけしだけ1人アウトレイジ状態。
これは笑いを堪えるのが大変です。死体を足で転がす作法とか、足で銃を手から退ける作法とか、銃のヤクザ撃ちとかまんまアウトレイジですやん、という感じ。面白い。
桃井かおりも出てくるとは知らなかったで、驚きました。桃井かおりも日本語で喋ればよかったのに。
5 背景は情報過多だけど色々遊び要素ありそう。
未来の香港のような街は、情報で溢れています。あまり見つけられなかったけど、「京レ」の広告はみつけました。他にも「イノセンス」とか。もっとあると思います。
スカヨハかわいいので取り敢えず見といてソンは無いと思います。シロマサ風ギャグは一切ないのはまあそりゃそうだという感じで、生暖かく見るのが良いのでは。多脚戦車はかなり重量感あって良かったです。『MGS3』のシャゴホッドのような絶望感がありました。そういえば少佐、CQCの構えしていたな・・・SACでも見たことないような・・
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image credit: Paramount Pictures
*1:
ゴースト・イン・ザ・シェル (映画) - Wikipedia
*2:鑑識『S.A.C.』シリーズに4人登場している。課員からは「赤服」と呼ばれている。鑑識といっても、情報解析のサポートやタチコマのメンテナンスなど、その活動は多岐にわたる。特に『2nd GIG』での働きには9課メンバーも舌を巻いた。ちなみに4人の名前(コードネーム)はある野球チームの強打者・外野手・巧打者・外国人選手から付けられている。
*3:押犬
*4:攻性防壁とかそういう感じではなく、群がるゾンビに引きずり下ろされる『ワールド・ウォーZ』的な演出
*5:原作1巻最終話でバトーが「廃品回収業者」から奪って少佐にあげたやつ
*6:原作2巻、飛行船の素子モデル?
*7:勿論押井版「プロジェクト2501人形遣い」から
*8:クゼ・ヒデオのPKO義体
*9:チタンの塊である義体はフローター無しでは直ぐに沈んで=死んでしまう。水中はサイボーグに取って最大の弱点のはず
*10:体内のプラントでアルコールなんざ直ぐに分解できる、の下りはない
*11:アンプルにはカタカナでなんか書いてあった=テトロドトキシン
*12:劇中に登場するホンダのバイクは盗難車両か
*13:マテバが好きなの!
*14:サルオヤジ
映画前売り券おまけ:『BABEL』(バベル)のジグゾーパズル
BABELっていう映画があった
2000年代後期日本映画シーンにおいて、ある意味かなり注目された洋画であったのがこの『バベル』。理由は日本人女優・菊地凛子と俳優・役所広司の出演に他ならない。事前評判はかなり高かったと記憶している。
そんなメディアの口車に乗せられ、ついつい買ってしまったのがこのジグソーパズル付き前売り券1300円。
ピーテル・ブリューゲルの有名なバベルの塔の絵画をA4半分位のサイズでパズルにしたものだ。
旧約聖書創世記 第11章に記されている伝説の塔で、ノアの洪水後、人間が天にも届くような高い塔≪バベルの塔≫を築き始めたのを神が見て、その驕りを怒り、人々の言葉を混乱させ建設を中止させたとされる逸話中、塔の建設場面を描いた本作は、内部まで細密に描かれている建設途中の塔の形態、色彩、人物・風景描写など各部分において特筆に値する秀逸の出来栄えを示している。ノアの洪水後、ノアの子孫ニムロデ王が自身の力を誇示せんが為に高い塔を築き始め、その奢りに神が怒り、人々の言葉を混乱させ建設を中止させたことから、世界中の言語が誕生したとされている。建造を指導したニムロデ王は、人類の堕落に怒った神の命を受け箱舟を造り、自身の家族と一つがいずつの動物たちと共に乗船し、神が起こした大洪水を77日間生き延び、新たな人類の祖となった義人ノアの息子の子供とされる(http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/brueghel.html より引用)
大きさが大きさなので、難易度は低い。サクサクとストレス無く組み上げる事ができるので、頭のストレッチには丁度良かった。
前売り券のおまけは、かなり日本らしい日本独特の映画グッズだと思っている。今回のバベルのジグソーパズルも、往々にしてゴミ箱行きが確定しているようなものだったが、運良く時の流れの中から救出することが出来た。
改めて見てみると、案外映画の内容そのものを熟考する良い時間を与えてくれる、これも一種の映画の小道具といえるのかもしれない。事実、このピーテル・ブリューゲルのバベルの絵について考えなければわからない様な内容も、バベルの映画の中では描かれている。
最近、ムビチケなどで映画前売り券のチープ化が甚だしい日本映画館業界であるが、今後もハイセンスなおまけが増えてくれることを願っている。さもなくば、日本の映画館に、世界と比べて利するところなど無いだろうから。
新宿バルト9の展示物シリーズ:その2『アップルシード・アルファ』の実物大ブリちゃん
毎度毎度アニメ映画が公開されると特別な展示物をチケット売り場に置いてるれる新宿バルト9。今回は士郎正宗原作の名物映画『アップルシードα』公開に合わせて登場キャラクターのデュナンの装身具とブリアレオスの実物大フィギュアが展示されていた。
本記事は当該映画の公開時の思い出である。
アップルシードの映画化は多分3,4回目で、今回はアメリカの制作スタジオの手により大幅にハリウッド味を増したアメリカンでマッチョなアップルシードになっております。それに合わせてか、デュナンの装備も現米軍風になっているのが分かります。
パンツはマルチカモ。
ブリアレオスはでかいですねー。エアガンショップから各種装備の提供でも受けたのでしょう。左胸に刺さってる青いショットシェルはマルゼン製品でしょう。
アップルシードαですが、個人的にはかなり好みでした。分かりやすいストーリー、かっこいい装備や擬態(メカ面では過去最高ではないかと思います)、考えようによってはかなり危ない全身スーツ少女など、相当なマニア向けである事が分かります。オリュンポスとかも一応出てきますし、道は外れていない筈です。気持ち良い程のエンターテイメントだと思います。
2015年10月・飛行機内連続映画観賞感想
『英国王のスピーチ』